エポキシ樹脂の特徴
エポキシ樹脂は、主剤と硬化剤の組み合わせによって優れた特性を備えることができるため、さまざまな用途に使用されています。そのメリットやデメリットには、以下のようなものが挙げられます。
エポキシ樹脂のメリット
接着性
エポキシ樹脂が接着性に優れている理由の一つは接着強度の高さです。エポキシ樹脂は、硬化剤と反応して架橋ネットワークを形成する性質があります。この架橋ネットワークは非常に強固な構造を形成するため、接着強度が高くなります。一般的に、エポキシ樹脂の接着強度は10MPa以上あるとされています。これは1cm四方の接着面積で約100kg以上の重りを支えることができる、非常に強い接着力です。
耐熱性
エポキシ樹脂の耐熱性は硬化剤の種類によって異なりますが、一般的に150℃~200℃程度と言われています。耐熱性の向上を目的としたエポキシ樹脂も開発されており、300℃~400℃程度の耐熱性を持つものもあります。
耐食性
エポキシ樹脂は、硬化剤の種類によって異なりますが、金属の腐食を促進する原因となる水分や酸素を通さない性質があるため耐食性に優れています。
耐薬品性
エポキシ樹脂は多くの化学薬品に対して耐性を持っており、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの強アルカリ、トルエン、キシレン、アセトンなどの有機溶剤、油、グリースなどの油脂などがあげられ、高い耐性を有しています。
電気絶縁性
エポキシ樹脂の電気絶縁性はその分子構造に由来しています。エポキシ樹脂は分子内に2個以上持つエポキシ基で架橋ネットワーク化が可能です。この架橋ネットワークは電子が自由に移動できる経路を阻害し電子が移動しにくいため、電流が流れにくくなります。
エポキシ樹脂がつかない素材
エポキシ樹脂接着剤は、多くの素材に接着できる汎用性の高い接着剤ですが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、シリコーンゴム(SI)、ガラス、フッ素樹脂など接着できない素材もあります。
エポキシ樹脂のデメリット、弱点
・紫外線に弱い
エポキシ樹脂は紫外線に弱く、屋外などで紫外線に当たるとすぐに劣化してしまう場合があります。紫外線に当たる場所で使用する場合は、紫外線カット剤を塗装する、トップコートを塗り保護をするなど対策する必要があります。
・低温下での硬化に時間がかかる
エポキシ樹脂は低温下での硬化に時間がかかります。そのため気温が低い場所で使用する場合作業効率が低下する可能性があります。また、硬化時間が長いと硬化中に反応が不十分となり、強度が低下する可能性があります。
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