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2023.06.07
CASESTUDY
【印刷/塗工方式_ラミネート】

【ラミネート加工の種類と特徴】ドライラミネート、ノンソルラミネート、ウェットラミネートとは?

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ラミネート加工には様々な方法があります。ここではドライラミネート、ノンソルラミネート、ウェットラミネートについて、メリットや用途などを解説します。
ラミネートなど、研究開発のスピードアップ、コストダウンに貢献するテストコーターも紹介。

ラミネートとは?

ラミネートとは、フィルム、紙、アルミ箔など複数の素材を接着剤で貼り合わせることを表します。

紙やフィルム、アルミなど単一の素材では得られない性能を向上させる手段としてラミネート加工が使われます。

他の素材と組み合わさることで本来の欠点をカバーしながら、組み合わせた素材の特性を活かし、新たな価値を生み出すことができる技術です。

その用途は様々で、食品包装や医薬品包装、製品ラベルや包装材料などにも使用されています。

ラミネート加工の種類

ラミネートには様々な加工方法があります。

・ドライラミネート 接着剤を基盤に塗布し乾燥させ、熱と圧力で貼り合わせる

・ノンソルラミネート 無溶剤接着剤を、粘度を下げた状態で基盤に塗り、貼り合わせる

・ウェットラミネート 接着剤を基盤に塗布し貼り合わせ、乾燥させる  等

ドライラミネートとは?

ドライラミネート模式図

ドライラミネートは有機溶剤で希釈した接着剤を基材表面に塗り、乾燥ゾーンで溶剤を蒸発乾燥させ、別の基材と貼り合わせる方式です。接着剤を使用するラミネートで広く使われている方式です。

▼ラボ/パイロットコーターVCMLでのドライラミネート動画はこちら▼

ドライラミネートのメリット

・高い生産性と効率性を持つため多品種少量生産にも向いています。

・接着強度に優れており、アルミニウムや、銅箔などの基材にも使用できます。

・耐熱性や耐薬品性などの機能を付与することができます。

ドライラミネートの用途

ドライラミネートは耐熱性や耐薬品性が求められる包材などに使用されています。

・軽包装資材

・医療用包材

・レトルト食品、非常食品、ボイル食品などの包材

・フレキシブルプリント基板用フィルム

・接着剤、バリアフィルム

 

ノンソルラミネートとは?

ノンソルラミネート模式図

ノンソルラミネートは「ノンソルベントラミネート」の略で、無溶剤(non-solvent)を意味し、有機溶剤を使用しないラミネート方式のことです。

コーター部に複数のロールを用いて、無溶剤接着剤を80-100℃で加熱し、粘度を下げた状態で基材に塗り別の基材と貼り合わせます。

ノンソルラミネートのメリット

・無溶剤の接着剤を使用するため溶剤の臭気や人体への害を抑えることができます。

・VOC排出量を大幅に削減でき環境面に優れています。

・乾燥工程が不要のため、乾燥の為のエネルギーが削減できます。

・ドライラミネートの半分程度の接着剤塗工量で十分な張り合わせが可能です。

・残留溶剤がなく、安全な包材が作成できます。

・高速で塗工できるため、生産性効率が向上します。

ノンソルラミネートの用途

ノンソルラミネートは、ドライラミネートよりも環境にやさしく、ラミネートフィルムの品質を劣化させないため、様々な用途に使用されています。

・スナック菓子、液体スープ、漬物などの包材

・ 医薬品包材、製品ラベルやシール

 

ウェットラミネートとは?

ウェットラミネート模式図

ウェットラミネートとは、水溶性接着剤を使用してラミネートする方法です。

吸水性のない基材に水溶性またはエマルジョンタイプ※の接着剤を塗り、貼り合わせをした後に乾燥する方式です。

※エマルジョンタイプ:一般的には液体と液体が均一に混ざった状態で、通常、油と水のような相互に不溶性な液体の組み合わせで見られます。

ウェットラミネートのメリット

・溶剤が含まれていない水性の接着剤を使用するため、環境への負荷が少ないです。

・生産性に優れており、低コストです。

・ウェットラミネートによるラミネートは、表面に均一な光沢と透明性を提供します。これにより、印刷物や写真の保護や鮮明な見た目を実現することができます。

・ラミネートフィルムが素材を覆うことにより、防水性や耐久性を向上させることができます。

ウェットラミネートの用途

接着剤の水分を蒸発させる必要があるため、どちらかもしくは両方が、紙、セロハンなど水分を通す基材のものに使用されます。

例)アルミ箔と紙

・シャンプー、石鹸、たばこなどの包材

・バター、アイススティック、スティック型のガムなどの包材

・ビールなどビン製品のラベル

このように用途によって様々なラミネート方式が使用されています。

 

サステナブルパッケージの研究開発にも重要な要素となるラミネート

ラミネートは包材の表面に保護層を形成し、外部からの損傷や 、湿気、光、空気中の酸素、微生物、物理的な衝撃などの環境要素からの保護をします。

食品や薬品などの包材においては、酸素、水分、気体、香り、味などの移行を防ぐバリア機能を提供します。また、ラミネートは高光沢やマットな仕上がりを提供することもでき、パッケージの見た目や触感を向上させます。これらの利点により、ラミネートは包材の品質、機能、見た目を向上させ、製品を適切に保護し、魅力的なパッケージングを提供する重要な要素となっています。

パッケージにおいては、近年、環境への影響を最小限におさえ、社会的および経済的な持続可能性を追求するために設計された、以下のようなサステナブルなパッケージや包材の開発 が進められています。

 

・モノマテリアルパッケージ  ※モノマテリアルについてはこちら

・脱アルミパッケージ

・リサイクル素材を使用したパッケージ など

 

サステナブルパッケージの研究開発では、必要とされる包材の機能を満たすためにフィルムや紙などの素材、そしてインキ、接着剤、コート剤などの選定や印刷/塗工/ラミネートの適正条件を決めていくために多くの試験を繰り返し行う必要があります。

しかし、生産機での試験は大量の材料が必要で、生産機を止めて試験を行わなければいけないなど、莫大なコストがかかるため課題となっています。

ラミネートなど 研究開発のスピードアップ、コストダウンに貢献する  ラボ/パイロットコーターVCML

 1m~数百mのサンプル作成に最適。

弊社が取り扱うロールtoロール/テストコーターで、ドライラミネート、ノンソルラミネート、ウェットラミネートの試験ができます。

▼ラボ/パイロットコーターVCML 塗工方式一覧▼

ラボ/パイロットコーターVCML塗工方式一覧

・リバースグラビア/ナイフコーター/スロットダイ など。12種類以上の印刷/塗工/ラミネート方式でテストができ、簡単に塗工条件の検討や材料の選定が可能です。サステナブルパッケージの開発にも貢献します。

・生産機を止めることなく手軽にサンプルが作成できます。

・コンパクトな設計で場所を取りません。

・わずか数百ccの材料で印刷やコーティング試験ができます

・操作はタッチスクリーンで簡単に行えます。

ロールtoロールパイロットコーターVCML詳細

 

製品についてのお問い合わせはこちら▼

 

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