前職は物流関係で国内物流や輸出入品の手配に関わる海外貿易実務や営業に携わっていました。中国での駐在経験も有り、その時期に商社の方々に接して、グローバルな規模で精力的に働く姿に憧れたことが、転職のきっかけです。
30歳となる節目に松尾産業株式会社に入社しました。入社当時は、塗料向け原材料を扱う事業部に配属されましたが、入社4年後、オートモーティブ事業部の営業グループに配属となりました。
オートモーティブ事業部では「セーフティシステム製品」「ウェザーストリップ製品」「内外装部品」「機能部品」という4つの製品群を取り扱っています。
現在、私はセーフティシステム製品とウェザーストリップ製品を扱うグループのグループリーダーです。セーフティシステム製品はハンドルやエアバックといった製品で、ウェザーストリップ製品は風よけや防水の役割を果たすゴム製品となります。
担当製品の営業活動は勿論ですが、グループのマネジメントを通じてチーム力のさらなる向上を図り、全体の問題・課題にコミットして、解決に当たっていくことも重要な役割です。
自動車業界において、松尾産業株式会社はTier1(自動車メーカーと直接取引する一次サプライヤー)の立ち位置です。自動車メーカーと部品メーカーの間で双方の要望を掛け合わせ、円滑なお取引を通して、付加価値の創造をサポートしています。 自動車メーカーと直接取引する立場ですので、時には難しい課題も調整しなければなりません。
そこで大切なのは、表面的な現象に一喜一憂するのではなく、 先方の言動の根本にどのような意味があるのか理解することだと思います。そのためには、課題について何度もお話しして、すり合わせを行わなければいけません。その上で、社会情勢はもちろんのこと、 先方の立場や持ち場も総合的に考慮しなければなりません。
このように私たちの業務では、分析・深掘りを通じて「なぜ」という部分を突き詰めることが極めて重要です。それぞれに持ち場や立場、関係性があります。そこに外部環境の変化、業界の動き、社会全体の流れといった事が複雑に絡み合いますので、これらを正しく客観的に理解し、ポイントをしっかり掴んでいく必要があります。
例えばご注文をいただいた時はもちろん、ご注文に至らなかった場合にも、しっかり結果を振り返り、分析・深掘りをしておけば経験値となり、次に活かすことができるでしょう。私自身、日々反省を重ねる事が、特に大切だと考えて実践しています。
そのため、チーム教育の1つとして、メンバーから承認を求められたり、相談を受けたりするシーンでは「なぜ」というクエスチョンを提示することがあります。
もちろん、クエスチョンばかり提示しては業務の円滑さを損ないますが、特に大きな問題に関わる事象については、メンバーに寄り添いながら問題を少し深掘りして、認識を共有し合う様なコミュニケーションを取るように心がけています。
当社に入社後、分析・深掘りの重要性を感じるようになり、オートモーティブ事業部に配属後はより意識するようになりました。これによって物事の本質が見え「乗り越えることができた」と感じるシーンも少なくありません。
100年に一度と言われる自動車業界の大変革の時代に加え、海外輸入品や原材料の高騰で非常に大きな影響を受ける等、自動車業界は大きな外部環境の変化の中にいます。お客様と調整に当たる際には、我々の要求をしっかりご理解いただき、ご納得いただく必要がありますが、そのような時にも分析・深掘りは不可欠です。
お客様の声はもちろん、サプライヤーの実情、業界動向含めた外部環境などを整理する事で、お互いが納得できる調整が可能になると考えます。
分析・深掘りし、物事の仕組みを理解した上での提案は、説得力が全く違ってきますし、ひいては我々の信頼にもつながる部分だと考えております。
なお、分析・深掘りの姿勢は、私自身の「人が好きで、人に興味がある」という部分が根本にあるように思います。だからお客様のことが知りたくなるし、お客様の会社が知りたくなる。そこで生まれた信頼関係や絆も多かったように思います。
「10年以上前の仕事のお客様から、いまだに私が指名される」と社内で聞かされた時は、お客様との信頼関係や絆を改めて感じましたし、素直に嬉しかったですね。
分析・深掘りはお客様の立場に立つことが大前提となりますが、これは「お客様を中心に考える」という商社としての姿勢にもつながります。
またお客様の困りごとや課題に対しては、積極的に関わり、私たちが中心となって解決へアプローチしたいとの想いは常におもっています。
時代の変化に伴って、お客様のご要望も変化します。 分析・深掘りを通じて、変化を正しく見つめ、お客様が本当に何を求めているのかを理解することに今後も務めていきたいと考えます。
変化に際しては課題も発生しますが、その課題を傍観するだけでは我々に存在価値はありません。そのような課題にこそ積極的にコミットする意味でも、私は今後とも現場主義を貫きたいと思います。
また、近年ではSDGsの世界的な取り組みもスタートしており、我々もより広い視点で意識することが求められているのではないでしょうか。
レギュレーション(ルール)は年々厳しくなっています。しかし、「法的な要請があるから取り組んでいく」という姿勢ではなく、まずは深い次元で問題意識を持つことが重要ではないかと考えます。
そこでオートモーティブ事業部としては、取扱製品の再利用を中心とした取り組みを通じて、SDGsや環境への配慮をさらに進めて参ります。
リサイクルによる循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現に積極的に関わり、ビジネスの可能性を模索する。オートモーティブ事業部が将来、循環型経済づくりの中心にいることが理想ですね。
みんなが問題意識を持って取り組まなければならないと思いますし、有効なスキーム構築を通じてみんながWin-Winになれる提案ができれば素敵なことです。松尾産業がしっかり社会貢献できるような取り組みができれば良いなと、私自身、常に考えています。
※画像はイメージです。
ためらわずに真ん中に行き、回りを巻き込もう。そうすることでイニシアチブがとれる。