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ナレッジ共有から学びの場へ。「新たな教育制度」の確立を目指す

総務部で会社の教育制度の充実に尽力する吉村。労務から人事制度改革まで、幅広い業務を担当しながら、社員たちのやりがいや成長をサポートする。そんな吉村にこれまでの歩み、社内教育における取り組み、挑戦を通じて得た価値観、さらに将来のビジョンとして想い描く「MATSUO大学」を聞いた。

広告営業から人事へ。従来の教育制度の課題解決を目指す

私は新卒で求人雑誌を発行する会社の広告営業に携わった後、人事として松尾産業株式会社に入社しました。

営業活動では、言葉ひとつ、コミュニケーションひとつで相手の反応が大きく変わります。それが人への興味、さらに人事という仕事への興味につながり、転職を考えるきっかけとなりました。

入社後は、労務から人事制度改革など多岐にわたる業務に携わりながら、教育の充実を目指す「新たな教育制度の確立」への取り組みを行っています。

まず、2019年度には教育制度の見直しに取り組みました。

当社には元々、しっかりとした教育制度が存在しています。具体的には、一般教養、経理知識、マーケティング、法務、ITツール、英語、マネジメント教育など、それぞれの立場や等級ごとに、商社で働く上で必要とされる知識習得のための教育制度です。

しかし弊社には、異なるバックグラウンドの中途採用者・既存社員が多いため、知識レベルの統一化を図る必要性があると判断しました。

そのため、入社のタイミングで総合テストを受けていただき、その内容を踏まえた上で、必要に応じた通信教育や授業を受けていただく。さらに必要に応じて新たな学び直しが出来る仕組みづくりを進めた形です。

さらに、2020年度より社会の変化に対応するための教育を実施しました。

その理由は、新型コロナウイルス、ウクライナ情勢、DX推進、SDGsなど、変化の激しい昨今の状況において「従来の教育制度だけで本当に充分なのか」という課題が浮き彫りとなったためです。

こちらの課題については、業界のトレンドや、ビジネスの中で話題になっていることを学んでいただく取り組みをスタートしました。

トライ&エラーで模索する新たな教育制度。「AI教育」で感じた手応え

新たな教育制度の取り組みとして、2020年に実施したのが「プレゼン力向上教育」です。

こちらは、全社員から各事業部から数名が参加して行った、プレゼンテーションに関するカリキュラムになります。

オンライン会議が増える中でどうすればお客様との会話の質を保てるのか、また、効果的に伝えたいことを伝えられるプレゼンとはどのようなものなのかを、教育プログラムの構築経験が豊富な外部にご協力頂き、何度も打合せをしました。受講者に興味を持ってもらい、自分事として捉えてもらうには、まず概要を学び、その概要を表現する為のスキルを学び、最後に実践として外部講師に向けて自身の業務をプレゼンするという、3部構成の教育がよいのではないかという結論に至り、作り上げたカリキュラムになります。
但し、受講者への動機付けが思うようにできず、プリコミットメントが弱かったことが反省点として残りました。ただ、3部構成の教育スタイルには手ごたえを感じておりましたので、この反省を踏まえ、次回実施した「AI・プログラミング教育」では、事前にヒアリングシートを記入してもらい、各自のゴールイメージを設定するスタイルに変更しました。

こちらは、弊社が現在取り組む「DX推進」に関連した教育です。DX推進メンバーを中心に10名ほどが参加し、社内SEがプログラミングの講師として授業を実施しました。

AI・プログラミング教育は、前半は個人で基礎を学び、後半はグループで課題を説くグループワークという構成です。
半年間で計6回実施しましたが「難しいと思っていたプログラミングが、意外にできることがわかった」「どんなルールで作られているか理解できた」「子供のプログラミング授業の内容が分かった」など、新たな知識習得によって受講者の多くが手応えを感じています。

また私自身、企業側の立場から働く皆様に、学びを通じた嬉しさや楽しさを与えたり、視野の広がりをサポートしたりできるという喜びは、今までにない感覚で、やはり大きな手応えを感じました。
このほか、生産現場においてAI技術がどの様に発展し活用されてきたのかといった事を外部から生産管理のスペシャリストを招いて講義を行って頂くなど、座学とディスカッションを用いた学びの場を運営しました。
企画後のフィードバックと反省点を振り返り、良い点・悪い点を次へつなげ続けていきたいと思います。

本音で話せるからこそ、見える課題ーーヒントは「社員の本音」の中にある

教育制度の課題に向き合うことで、私自身にも大きなやりがいが生まれています。

一緒にやっていて、一生懸命学ぼうとする人に対して「もっと、こんなことを教えてあげたい」「より良い学びの場を提供したい」という想いを深めました。

これを「おせっかいだ」と感じる方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、当社には本音で話せる風土があるからこそ皆さんとお話しして、どんな学びが必要かわかることも多いです。人事としても相談を受ける立場でもあるので、取り繕わず誠意をもって話を聞き、誠意をもって私も本音でお応えしています。「課題や問題を解決したい」という気持ちも湧いてくるのだと思います。

人事考課や教育など、人事に関わる制度には正解はありません。

変化が激しい状況の中で、何が弊社に必要なのか、どうすれば成長につながるのか、どうすれば全社員が一体感を持って取り組めるのか、常に模索しています。

私は幼少期から人と接することが大好きだったので、このような模索は大変である一方、ワクワクと楽しく、充実した時間にもなっています。そして「本当に皆さんのためになる”おせっかい”」を実現するための大きなヒントが「本音で話し合うこと」で見つかると思っています。

目指すは「進んで関わりたくなる学びの場」。Matsuo大学発足へのビジョン

新たな教育制度として考えているのが「Matsuo大学」の発足です。

弊社にはプロフェッショナルな専門知識を持つ人材がたくさんいます。そういった方々が得意分野を教えるような場、ナレッジ共有の場を作れないかと構想しています。

もちろん、学ぶ意欲を持つ社員たちにとっても、大きな成長の場となることでしょう。

Matsuo大学は、コンテンツを柔軟に考えて、小グループを基本に多くの学びの場が存在するようなイメージです。その意味ではまさに、大学のゼミに近い形だと思います。

学びの場が増え「勉強しなければならない」という意識から、「勉強したい!教えたい!」というように、自然と関わりたくなる環境を目指したいです。

弊社は各事業部が異なった業界、異なった営業手法で活動を行っています。お互いの専門性を共有し、全社員の知識の幅が広がれば、もっと強い組織になるのではないでしょうか。

そして、当社で働くメンバーがもっと自身の仕事を好きになり、毎日がワクワクできるような場所・仕組みの実現を目指して、今後も積極的に取り組みを継続します。

VALUES

# 4
半径5メートルのおせっかい

困った人がいれば自分ごととして全力でサポートする。それがMATSUOのチーム力の源泉だ。