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4カ国で駐在を経験。さまざまな「違い」に触れる中で大切にしてきたこと。

コーティングマテリアル事業部で海外貿易を担当する岡田。社歴13年の間にインドネシア、マレーシア、中国、タイ、と海外拠点すべての国での駐在を経験し、現在は貿易部門のリーダーを担当。新天地にもすぐに溶け込みスタッフの信頼を得る岡田について周囲は「適応力と柔軟性が持ち味」と評する。そんな岡田に仕事内容や海外経験、今後の目標について聞いた。

貿易業務の効率化をDXで推進

大阪本社にて、コーティングマテリアル事業部の貿易グループリーダーをしています。貿易チームのマネジメントや事業開発をメインに担い、具体的には、DX化をはじめとした貿易業務の効率化や、災害など緊急時リスクに備えたBCP(事業継続計画)対策などに取り組んでいます。

私はこれまでアセアン地域の海外拠点を中心に携わってきました。各国間で経済圏や文化圏を共有するヨーロッパなどと比べると、アセアン地域ではまだ業務効率化が進んでおらず、メールや電話などの煩雑な業務に追われている状況が見られます。ペーパーレス化やDX化をはじめこれら地域との貿易業務を効率化する方法を探るべく、貿易コンソーシアムや法改正に関するワーキンググループなどに積極的に参加しながら情報収集を続けているところです。

またBCP対策については、昨今の不安定な社会情勢の中、メーカーが生産停止したり事業撤退したりといった事態が多く見られます。加えて災害リスクもあります。拠点が偏りすぎていると万が一のリスクに対応しきれないため、例えば国内だけで生産しているものについては海外にも拠点を適切に分散した方がいいのではないかといったことを検討しています。

もともと学生のころからグローバルに働くことへの憧れがあり、語学留学やバックパッカー、ワーホリなどを経験してきました。前職で海外向けの営業職を経験したのち、さらに大きな規模でのビジネスにも挑戦したいと思ったとき、オープンな社風を持つ松尾産業に魅力を感じ入社しました。

適応力と柔軟性を活かして4カ国で駐在を経験

松尾産業へ入社後、国際営業部門に配属されたのち、3年間インドネシア支社の立ち上げに関わりました。現在同様、アルミニウムペーストの輸出を手がけるということだけは決まっていましたが、まだオフィスも制度もなくただ机があるだけという状態からのスタートでした。日本人社長と現地スタッフ、私の4名で「規定や制度はどうしようか」「この案件はどうしようか」と、食事中も話し合いをしながら一つ一つ形にしていきました。

インドネシアの後は、マレーシアの立ち上げで2年、中国で販売マネジャーを2年、タイで3年と、4カ国の海外拠点に赴任しました。海外拠点すべてを経験した者は社内でも珍しいようです。私がその役を担った理由として、入社すぐにアルミニウムペーストの販売に関わり、メイン製品の商品知識を身につけられたことが一つ。製品が私を連れて行ってくれたということですね。

もう一つの理由として、どのような環境に入っても柔軟性と適応力を武器に溶け込めるところなのではないかと周囲は評価してくれています。「大阪人らしいユーモアで誰とでも打ち解け、相手のやり方や考えを柔軟に受け入れている」「岡田さんにはざっくばらんに話ができる」と言ってもらえたことは嬉しい言葉として記憶に残っています。

違いを否定せず、まず受け入れてみる

海外赴任を経験する中で、日本や国ごとの違いを感じる場面はもちろん多くありました。例えば宗教や文化です。イスラム圏では「ラマダン」と呼ばれる約1カ月間の断食月がありますし、中国では旧正月前後にはお休みムードになります。そういった時期には仕事の進捗も当然左右されるため、進め方を工夫しなければいけません。

また、ビジネスマナーも国ごとに異なります。スーツにネクタイと、日本人が思うかっちりしたフォーマルな格好は必要なかったり、むしろ「心を開いていない」と警戒心を抱かせてしまうことすらあります。インドネシアでは、あえてラフな格好や現地の民族衣装「バティック」を着てお客様の元を訪問するようにしていました。

「自分の常識を一方的に押し付けないこと」「違いを否定せずまずは受け入れること」これらは海外拠点を経験する中で私が大切にしてきた考え方です。

管理する立場に立つと、自分の常識を相手にも当てはめてつい画一的に管理してしまいたくなります。一見その方が楽そうだからです。ですが、それではうまくいかなくなる局面がいずれ訪れます。特に近年で言えば、感染症の動向をはじめ地域ごとの状況の違いについても注意深く把握しておかなければなりません。お互いの考え方や状況の違いを受け入れながら仕事をしていくという姿勢が大切です。

ただ、「違いを受け入れる」と言っても相手からの要求に何でも応えるということではありません。「これを明日までに用意してくれ」とこちらからすると無茶な要求を受けることもあります。そんなときお互いに考えや常識が違う中でうまくやるには、「代替案を持っておくこと、提示すること」が大切です。ほしいと言われた製品が用意できない場合でも、別製品で代替できる場合もあります。提案自体を受け入れられないからといって否定して終わりにせず、相手の要望にまずは丁寧に耳を傾けてみる、この方法ではどうかと提案してみるということを心がけています。

信頼できるか見極めるためには、向かい合って人となりを知ること

異なる国のさまざまな取引先との仕事を経験する中で、「企業や人を見極める力」が身についてきたように思います。パートナーとして本当に信頼できる企業か、ということですね。特に、インドネシア時代の銀行出身の上司からは、与信管理やリスク管理の考え方をよく教えていただきました。

それらを通じて、人を見極める上でいま私が大切にしていることは「なるべく顔を向かい合わせて人となりを知ること」です。どういった思想を持っているか、ビジネスにどのような理念を持っているか。そういったことを実際に対話してみると、Web上で得られる情報や印象とはまったく違うことが多くあります。

現在、感染症の影響で直接会うことは難しくなりましたが、その中でも「人対人」としての感触や印象はこれからも大切に考えていきたいです。

貿易業務の効率化に引き続き注力しつつ、欧米にも足がかりを

今後の取り組みについて、やはり貿易業務におけるDX推進、業務効率化は引き続き注力していきたいですね。FTAやEPAといった協定や条約をはじめ複雑に変化する世界情勢に対応し切れていない状況が続いています。昨今の貿易業の環境下で、解決を急ぐ喫緊の課題だと感じています。

また個人としては、これまでキャリアを形成してきたアセアンから広げて、欧米でのビジネスにも取り組んでいきたいです。実際に昨年からは、アメリカのサプライヤーと新規に手を組み、アメリカから国内のお客様に原材料を輸入できるようになりました。これまで以上にグローバルなエリアにも挑戦していきたいです。

松尾産業は互いに違いを受け入れようとする会社

「Values10ヵ条」が作成された際、周囲からは「松尾産業らしさがよく表れている」「これから迷ったときに立ち返る指針になりそうだ」という声が聞こえてきました。私自身も、特に「違いを受け入れる勇気を持とう」に関しては、多様性やそれぞれの考え方の違いを尊重して受け入れようとする土壌のある会社だと考えています。

チャレンジングな姿勢を持った方には、非常に相性の合う会社だと言えるのではないでしょうか。

VALUES

# 3
違いを受け入れる勇気を持とう

多様性、馴染みがない価値観・様式を受け入れるには勇気がいる。しかしそれは度量となり人と会社を成長させる。