技術者の秘密基地
2026.08.19
SOLUTION

HPCパッケージ時代に求められる薄膜状態での空間拘束レオロジー評価

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先端半導体パッケージの高性能化に伴い、TTV(Thermal Test Vehicle)による熱・構造評価に加え、実装用接着材料の薄膜化に伴う硬化挙動などの理解が重要となっています。

関連記事: 大面積・高発熱密度化するパッケージ開発を加速 

実際の先端半導体パッケージでは、層間絶縁膜、NCF/NCP、アンダーフィルなど、多くの材料が数十μmの薄膜状態で使用されています。一方、従来は、100μm以上の厚みで測定されることが多く、「実使用環境や工程中の挙動を表しているのか?」「実際の挙動とは相関が取れない」といった声をお伺いしています。

そこで今回は、「しずか」を使用して一液加熱硬化型エポキシ接着剤の薄膜状態での空間拘束レオロジーの評価を実施しました。

【測定事例】微小GAP条件での空間拘束レオロジー評価

本測定では、平行平板間にエポキシ接着剤サンプルを挟み、上板(プローブ)に円運動振動を与えることで、せん断応力を測定しました。

 

測定条件

 

測定条件

GAP[㎜]

振幅(直径)[㎜]

周期[s]

せん断速度[s-1]

1

0.010

0.005

1

1.57

2

0.020

0.010

1

1.57

3

0.050

0.025

1

1.57

4

0.100

0.050

1

1.57

※GAPと振幅を変えて、周期は一定(1秒)とし、せん断速度を1.57s-1に合わせて測定

上板(プローブ)の直径:15mm

振動方式:XY二軸円運動

 

サンプル

一液加熱硬化型エポキシ接着剤

標準硬化条件 110℃ × 60分 、120℃ × 30分

粘度 170Pa・s / 20℃

 

温度110℃と120℃の条件下にて、せん断速度を一定に保ったまま、GAP(空間距離)を変化させることで、材料が空間的な拘束からどの様な影響を受けるかを評価しました。

測定結果 ― GAPによりせん断応力の変化が顕著に現れた

一般的な流体では、同じせん断速度であればGAPによる違いは殆ど現れません。

一方で、構造性流体や高充填樹脂では、凝集構造やネットワーク構造、さらに壁面からの拘束の影響によって、微小GAP条件下で流動性が大きく変化する事が考えられ、今回の測定でも確認されました。

20μm以下のGAP領域では、空間拘束による特徴的な挙動が明確に観測されました。

特に10μmのGAP条件では、空間拘束の影響によると考えられるせん断応力の変化が顕著に現れ、材料内部構造の変形し難さや構造維持状態を高感度に検出できる事が分かりました。

110℃

応力% [%]

時間 [秒]

300

600

900

1200

1500

1800

GAP [㎜]

0.010

96.0

96.1

96.1

95.5

93.8

91.9

0.020

82.9

42.1

22.7

15.0

17.5

48.2

0.050

0.0

0.1

0.2

1.0

11.0

38.6

0.100

0.0

0.0

0.1

0.7

11.2

33.6

※応力%=100%は、サンプルが完全硬化し、上板(プローブ)が動かない状態です。

 

また、温度条件によっても拘束応答が異なる事も確認されました。

110℃では拘束による応答変化が見られた一方で、120℃では同様の挙動は確認できませんでした。

 

120℃

応力% [%]

時間 [秒]

300

600

900

1200

1500

1800

GAP [㎜]

0.010

1.5

17.3

74.9

87.9

91.8

93.1

0.020

0.1

15.6

71.9

86.5

91.3

93.2

0.050

0.0

12.9

59.9

78.8

86.3

90.0

0.100

0.0

11.7

52.8

73.3

82.5

87.1

 

温度条件とGAP条件を組み合わせる事で、空間拘束の影響の強さをマッピングでき、材料ごとの拘束感受性を定量的に比較できる可能性も示されました。

この評価手法は、接着剤,封止材,高充填樹脂,微細隙間充填材料など、実際に微小空間で使用される材料の特性評価への応用が期待されます。

実使用環境に近い薄膜評価を可能にする「しずか」

このように、実際の先端パッケージでは、実使用環境に近い薄膜状態での評価が重要になっています。

こうしたニーズに対応するため、10μmレベルの微小GAP条件における応力・粘弾性評価を可能にする空間拘束レオロジー評価装置「しずか」をご提案しています。

・シートだけでなく液体や粉末のゲルタイムも測定可能

・ゲルタイム・位相差・粘度・粘弾性・溶融粘度など同時に測定

・10μm~の極薄シートから厚物まで1枚で測定

・熱板温度設定

 固定温度設定 & 温度プロファイル設定 (常温~240℃)

 

 

 
 
 
 

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