INNOVATION

2022.10.27
PRESS
~自動車の軽量化・電装化に必要な樹脂へのめっきを実現する 環境負荷の低い循環型電解硫酸生成システムの開発~

導電性合成ダイヤモンドを製造するDIAMは 成長型中小企業等研究開発支援事業 (Go-Tech 事業) に採択されました。

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松尾産業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長 松尾 尚樹 以下、松尾産業)の子会社である、DIAM株式会社(本社:千葉県千葉市 代表取締役社長 小谷 和也 以下、DIAM)は、令和4年度予算「成長型中小企業等研究開発支援事業」 (Go-Tech 事業) (旧サポイン事業、旧サビサポ事業) に採択されました。

「成長型中小企業等研究開発支援事業」 (Go-Tech 事業)は、中小企業者等による精密加工、表面処理、立体造形等のものづくり基盤技術及びサービスの高度化を図ることを目的として、中小企業者等が大学・公設試等と連携して行う、研究開発や試作品開発、その成果の販路開拓に係る取組を支援するために行うものです。https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/2022/221006saitaku.html


【研究開発計画名】
自動車の軽量化・電装化に必要な樹脂へのめっきを実現する環境負荷の低い循環型電解硫酸生成システムの開発
【研究の概要】
自動車の軽量化・電装化に必要な樹脂へのめっきは、従来環境負荷の高いクロム酸・フッ酸などによる前処理が検討されてきましたが、導電性ダイヤモンドにより得られる電解硫酸を用いて実現の可能性が示唆されました。本事業では新規に環境負荷の低い循環型電解硫酸生成システムを開発します。これによりPP等難めっき材に対し、自動車分野やその他ニーズでの適用が可能となります。

 

【導電性合成ダイヤモンドについて】
ダイヤモンドは高い硬度や屈折率、熱伝導性、化学的安定性など特異な性質を有します。ダイヤモンドにボロンをドープすることで導電性を付与することが可能です。電位窓が広く、通常電気分解しにくい物質の酸化や還元反応が優先できるため、従来方法では不可能であった物質の分解や合成を実現します。

導電性合成ダイヤモンドは電極として応用することで、ダイヤモンドが持つ化学的安定性を活かし、以下表のような電気化学的特性で従来の電極では得ることができなかった電気分解・電解合成を可能とします。主な用途として、成分分解による各種溶液・廃液の水処理、オゾン水や電解硫酸の生成による代替技術などグリーンテクノロジーの実現。高感度な電気化学センサーとして医療への応用、有機電解合成による創薬など、これまでできなかったことを可能にする次世代技術です。

広い電位窓 通常電気分解しにくい物質の酸化や還元反応が優先でき、従来方法では困難であった物質の分解・合成が可能です。水を直接電気分解することでオゾンを発生させることができ、廃液のBODやCODといった水質汚染の指数を低減することが可能です。
物理的・化学的
な安定
高硬度・高耐食性物質であり汚れが激しい環境や、強酸・強アルカリ・有機溶媒中であっても長期間安定して使用可能です。硫酸などの強酸においても電極として利用することができ、これまでレア金属などを用いていた電解処理用電極の寿命を飛躍的に伸ばすことが可能です。
小さなバックグラウンド電流 シグナル/ノイズ比が大きいため電気化学分析 における高感度センサとして使用が可能です。

量子センサと呼ばれる、超高感度の磁気センサや電界センサを作ることができます。この量子センサは常温・常圧・大気中を含めた様々な環境下で機能させることが可能です。

【DIAMについて】
DIAM は合成ダイヤモンドの成膜・製造の技術を提供します。ダイヤモンド電極は金属などの電極材料と異なり合成条件のパラメーターコントロールにより、用途に合わせた成膜が可能です。10年にわたる成膜条件の研究により、耐久性(厚いダイヤモンド膜)・高い導電性や大面積での安定的な成膜ノウハウを確立しました。ニーズに合わせた特性の異なるダイヤモンド電極の受託成膜や量産が可能な企業は未だ世界でも数社しか存在しておらず、今後も高まる需要に対し生産体制を増強し量産をめざします。「ダイヤモンド電極とはどのようなものなのか」「一度実験がしてみたい」という要望に応え、標準品も販売しています。

DIAM株式会社

本社:千葉県千葉市花見川区三角町65-1
URL:https://dia-m.co.jp/