TOP MESSAGE

変化の時代に挑戦し続けるために、求められるもの

創業から85年以上、自動車部品や化成品を中心に製造業のパートナーとして現場と歩み、新たな価値を提供してきました。その原動力は「人間力」、すなわち自ら考え、行動し、仕事をつくる力です。各人が「この分野では誰にも負けない」という自負を持ち、挑戦する姿勢が、当社の事業を形づくってきました。

今、製造業も商社も、大きな転換期を迎えています。AIやDXの進展、グローバル市場の再編、環境対応への加速。かつて10年かけて変わっていたことが、今は3年、あるいは1年で変わる時代です。加えて、ビジネスのライフサイクルもより短くなっています。だからこそ、未来を切り拓く挑戦を生み出す「人」の存在が欠かせません。

商社にとって最大の財産は「人」――これは業界共通の認識ですが、とくに当社は少数精鋭だからこそ、一人ひとりの挑戦が事業に大きな影響を与えます。その可能性を引き出し、挑戦できる環境を整えることが、私の務めだと考えています。

 

2020年、私が四代目の社長に就任した際、まず取り組んだのがミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の再定義です。それまでの伝統や形式をリスペクトしつつも、これから先の未来に向けた“旗”を改めて立てるための意思表明でした。

私たちのミッションは「世界中の英知をつなぎ、製造業をどんどん面白くする」です。

この「面白くする」は、単に“楽しむ”という意味ではありません。新しいテクノロジーや素材、アイデアをつなぎ直し、これまでにない価値を生み出すこと。市場を驚かせるような提案を、顧客と一緒に作り上げること。そして、自分自身が“仕掛ける側”として仕事にワクワクできること。

そのすべてが、「面白い仕事」だと私は考えています。

社会の著しい変化に対応するため、私たちは製造業とイノベーティブな技術をつなぐ役割に注力してきました。世界各地には優れた技術や発想がありますが、それらを適切につなげることで、製造業の常識を変えるような変革が生まれてきた歴史があります。

商社が昔から採用基準で重視してきた「人間力」は、まさにAIに代表されるようなテクノロジーとは対極にあるところだと考えています。商社は、単なるモノの仲介ではなく、さまざまな立場のプレイヤーの間に立ち、それぞれのニーズを掘り起こし、価値を生み出すことが存在意義です。そこには泥臭く人間らしい調整と交渉が欠かせません。技術が進歩してもそこは普遍的に残り続ける本質です。

お客様が成し遂げたい世界の実現に向けて、私たちはイノベーションの種を結びつけ、製造業の革新を進めていく。挑戦そのものに価値を感じ、そのプロセス自体にビジネスの醍醐味を感じられる方には、活躍できるフィールドがあると思います。

野武士集団であり、最強のチームであるために

私は、松尾産業を「少数精鋭の野武士集団」だと表現しています。

当社のメンバーには自立した個であってほしいと思います。自ら考え、自ら行動する内発的動機がなければ、100%のパフォーマンスを発揮できません。「この分野では誰にも負けない」という自負を持ち、一対一の他流試合でも負けない実力、やり切る執着心を持って挑戦していく。そんな人間力に裏打ちされた個の強さを “野武士”という言葉に込めています。

ただし、強い個が集まるだけでは強いチームにはなりません。大切なのは弱みを突くのではなく、強みにフォーカスして互いをリスペクトし合うこと。お互いの得意を活かし合い、苦手を補い合うことで、少数精鋭でも大きな力を発揮できると実感しています。

当社らしいValueとして「違いを受け入れる勇気を持とう」「半径5mのおせっかい」という言葉があります。変化を脅威ではなく学びの機会ととらえ、互いを尊重し合う企業文化がプロ意識の高い“野武士”を最強のチームとして機能させる――それこそが、当社の強さの源泉です。

社員一人ひとりが自分の力を120%発揮できる場をつくる

私は、経営者として「社員一人ひとりが自分の力を120%発揮できる環境を整えること」が最も重要な仕事のひとつだと考えています。そして、当社のメンバーには自分の想定を超えた成果につながる成長を期待しています。

それは単に能力を活かすという意味ではありません。本人も気づいていない可能性を引き出し、挑戦を通じて自分の限界を超える経験を積めるような“飛躍の場”をつくること。これこそが、組織の役割であり、マネジメントの本質だと思っています。

当社は、国内社員数100人未満のコンパクトな組織ですが、少数精鋭だからこそ実現できることが多分にあります。見渡せる範囲の人数だからこそ、個々のメンバーのコンディションや可能性を感じ取ることができ、新しい挑戦を託すことができるのです。

ときには「無茶ぶり」に見えるような挑戦を、あえて任せることもあります。その挑戦が本人の可能性を引き出し、次の飛躍につながる姿を何度も見てきました。すべてが成功するわけではありません。しかし、失敗を恐れず挑戦できる文化があるからこそ、学びと自信が次の成長につながっていきます。

日々の対話を通じて強みを見極め、時には背中を押す。その積み重ねが、一人ひとりの力を最大限に引き出し、松尾産業全体の「強さの連鎖」を生んでいくのだと、私は確信しています。

思い切り、暴れてほしい

私たちは、変化を楽しみ挑戦を仕掛ける組織でありたいと考えています。新しい仲間が加わることで新たな可能性が生まれ、組織の色合いも変わっていく。そのダイナミズムこそが、私たちの原動力です。

こうした変化を意識的に起こすためにも、当社のメンバーには「思い切り暴れてほしい」というのが私の本音です。当社のミッションやバリューに共感し、世界中の英知をつなぐミッションに参画したいと思う方には、存分にその力を発揮してほしいと思います。

「現在の環境で力を持て余している」「もっとチャレンジングな仕事がしたい」「製造業の変革に貢献したい」「自分の力を存分に発揮できる舞台を探している」という気持ちをお持ちであれば、やりがいを持って働ける場が当社にはあります。

 

そして、一番伝えたいこととして、松尾産業で働く仲間には「仕事も人生も楽しんでほしい」ということ。私自身、好奇心旺盛で、新しいことワクワクすることが好む質です。お互いを尊重し合い、高め合いながら、製造業に変革を起こす仲間を待っています。

私たちと一緒に、製造業の未来を創りましょう。